大学受験の大手予備校の料金相場は、年額で浪人生が100万円から120万円、現役生でも50万円から80万円となっています(合同会社プラスワンのデータより)。高校の授業料や大学進学後の資金を準備しなくてはならないところへ、予備校にも通うとなれば、学費の負担が家計に大きくのしかかるでしょう。
そうした事情もあるのか、最近はオンライン予備校を利用する受験生も増えているそうです。これは通学型と比べ、オンライン予備校のほうが低価格とされるからですが、実際にどの程度の学費削減につながるのでしょうか。
本記事で詳しく解説するので見ていきましょう。
授業形態によっても費用が異なる
オンライン予備校では、インターネットを通じて受験指導を行ない、授業形態としては次のような種類があります。
- 授業内容を録画した動画を好きなときに視聴する「映像授業」
- リアルタイムで配信される授業を受ける「ライブ授業」
- それぞれの受講生に適した学習計画を立案し、オンライン上で講師が教える「個別指導」
このうち「映像授業」の1ヵ月当たりの利用料金は、2,000円から1万円以内が一般的です。「ライブ授業」の相場はこれよりも高く、月額1万円から3万円程度、「個別指導」は、安くても2万円、場合によっては8万円ほど必要になるでしょう。
ちなみに収録済みの動画を使用する「映像授業」が、ほかの授業形態よりも低価格なのは、人件費が抑えられるからです。
オプションで追加料金が発生することも
オンライン予備校の学費は、一様ではありません。一般的なオンライン予備校の場合、コーチングなどの料金込みで平均して年間50万円ほどを見込むとよいでしょう。ただし、最も価格帯の低いオンライン予備校なら、年額で5万円程度、追加サービスと合わせても12万円ほどで済むでしょう。
オンライン予備校は、通学するより安上がりに思えますが、追加サービスやオプションが増えると、学費が高くつくこともあります。
例えば学習中に不明点が出てきた際の対応サービスです。あらかじめ料金に質問サービスが含まれている場合もありますが、予備校によっては追加オプションが必要だったり、質問の数に応じて料金が変動するケースもあります。質問対応に限らず、入会時には必要なサービスが料金に含まれているか確認し、オプションを追加する際は予算オーバーにも気を付けてください。
まとめ
学費が割安で、通学の手間も省けるオンライン予備校は、たしかに便利なサービスです。その一方で、通学生に比べモチベーションを保ちにくく、講師とのコミュニケーションが取りづらいなどのデメリットもあります。疑問点が出たときも、すぐに質問できるとは限りませんし、自主的に学習に取り組めるだけの管理能力がないと、なかなか学力アップにつながりません。
予備校を利用する一番の目的は「志望校に合格すること」です。学費も予備校選びの重要なポイントですが、まず合格のために何が必要か明確にすべきでしょう。特にオンライン予備校の場合、サービス内容にも料金にも、ばらつきが見られるうえ、人によっては通学のほうが向いていることもあります。予備校選びにあたっては、費用対効果を考えながら、授業の形態や講師の質、フォロー体制などを比較検討してください。