受験対策や学力向上を目的に予備校に入ったものの、実際に通い始めてから「自分に合わない」と感じることがあります。それでは却って学習意欲の低下につながりかねず、通い続けても費用や時間の無駄になるだけです。
ここでは予備校と受講生の間にミスマッチが生じるケースと、対処法としてどういった選択肢があるのか、考えてみます。
今の予備校に相談するか、別の予備校に移るか
受講生が「合わない」と感じる場合、おもに次の理由が考えられます。
- 授業のレベルやスピードについていけない
- 講師の質に問題がある、教え方が良くない
- 講師との相性が悪い
- 授業スタイル(集団指導、個別指導など)が適さない
- 進路指導などサポート体制に不安がある
- 志望校対策に不満がある
など
上記の理由のなかでも、多く見聞するのは「授業についていけない」ケースでしょう。
例えば授業内容が自分の学力を上回るレベルだったり、スピードが速すぎたりすると、理解力が追い付きません。逆にレベルが低く、進度の遅い授業を受けたところで、学力アップは見込めない訳です。
この場合の対処法としては、自分のレベルにあった講座やコースに移る、その予備校を辞めて違う予備校を探す、といった方法が考えられます。
講師の質や相性が問題なら、予備校側に講師やクラスの変更が可能か相談してみましょう。それが無理な場合は、予備校自体を変えるしかありません。
ただ新しい予備校に移るには手間も費用もかかります。個人的に好きでない講師でも、授業内容や指導方法に問題がなければ、割り切ってそのまま受講する選択肢もあるでしょう。
このほか、集団指導の授業が合わない場合は個別指導形式のコースや予備校に移る、学習や進路のサポートに不満な場合は本人の希望に即した支援と必要な情報を提供できる体制の整った予備校を探す、といった対処法が考えられます。
自力での受験対策は難しい
自分に合わない予備校を辞めたあと、別の予備校に移らずに、自宅で学習する選択肢もあります。高卒者なら「宅浪」になる訳ですが、通学時間や費用を抑えられるのが宅浪のメリットでしょう。
しかし宅浪生には、現役高校生や予備校生のように、同じ受験仲間から刺激をもらい、先生や講師などから指導を受けられる場が限られるのが実情です。こうした場所がないと、モチベーションを維持するのが難しく、どこかで怠けてしまう可能性が高くなります。
さらに勉強以外にも、学習計画の立案と見直し、得意分野と不得意分野を客観的に把握したうえでの学習時間の配分など、自力で対処しなくてはならないことが少なくありません。そのためか、宅浪生が受験で成功する確率はかなり低いとされています。
予備校を利用しない浪人生には、規則正しい毎日を送りながら地道に努力できる自主性と計画性、メンタル面を含めた自己管理能力、受験対策に関する知識や情報を持つ人に相談できる環境が必要です。
このように宅浪生には苦労が多いため、もし自宅でしか勉強できない場合でも、家庭教師など別の学習サービスを利用するのが望ましいでしょう。
まとめ
受験生が合格通知を勝ち取るには、プロの指導を受けて効率的に勉強を進めていくことが大切です。
もし今通っている予備校が合わないのなら、自主学習に切り替えるより、同じ予備校内でより自分に合った別のコースに変えるか、ほかの予備校を探すべきです。
また「移った先の予備校も合わなかった」といったことがないように、新しい予備校を選ぶ際は、まず自分の目標や志望校を明確にしましょう。そのうえでそれを実現するのに適したカリキュラムを用意している予備校を見つけてください。授業のスピードや講師の質、指導方法などは、無料の体験授業を通じて把握できます。
体験授業では予備校内の雰囲気や設備などもチェックできるので、とにかく自分の目と耳で確かめておくことです。